障がい者雇用により海の環境保全を実現する「里海珊瑚プロジェクト」が本格始動

#お知らせ 2025.06.23
障がい者雇用により海の環境保全を実現する「里海珊瑚プロジェクト」が本格始動

2025年4月22日(アースデー)に設立した里海珊瑚プロジェクト株式会社(所在地・代表共に同上)は、障がい者雇⽤を通じて深刻な環境問題であるサンゴの保全活動に企業が参画できる、ソーシャルグッド型の障がい者雇⽤創出活動「⾥海珊瑚プロジェクト」を本格始動いたします。本プロジェクトには、DXに対する深いノウハウや知見を持つアクセンチュア株式会社が、社会貢献活動の一環として参画しています。水槽の状態をモニタリングするデジタルサイネージや水槽データ管理アプリケーションなど、最新テクノロジーを活用した「水槽DX」で、サンゴの陸上養殖を可能にし、まさに「IT×福祉」を体現する取り組みとなっています。アクセンチュア株式会社と協業して実施している本プロジェクトは、様々な企業様、協力パートナー様の賛同を得ながら推進してまいりました。本プロジェクトの本格始動をうけ、この度実際の陸上養殖現場や海中植え付け場所を視察できる企業向けツアーを2025年4月25日(金)~26日(土)と5月22日(木)~23日(金)に実施したことをお知らせいたします。


画像左:オフィス養殖している水槽/画像右:実際の珊瑚植え付けの様子

画像左:オフィス養殖している水槽/画像右:実際の珊瑚植え付けの様子


 サンクスラボは、テクノロジーと独創性を駆使したソーシャルビジネス(社会貢献活動)を通じてデジタル社会における障がい者の活躍を支援する企業として、2015年に沖縄で設立いたしました。以来、障がい福祉事業・IT関連事業・障がい者雇用創出事業を展開しています。

 そのような中、地元・沖縄が抱える深刻な環境問題のひとつである「サンゴの白化現象」に対し、障がい者雇用創出事業を通じて貢献ができないかと考え、「⾥海珊瑚プロジェクト」をアクセンチュア株式会社の協力のもと、2022年に立ち上げました。現在、障がい者就労支援や生物多様性保全に関心の高い企業14社に参画していただき、34名の障がい者雇用の実績を有しております。

 そして2025年4月22日のアースデーに合わせて、本プロジェクトをより一層推進すべく、サンクスラボの子会社として「里海珊瑚プロジェクト株式会社」を新たに設立いたしました。今後は、持続可能な社会の実現に向けて、環境保全と障がい者の社会参加を同時に促進する事業モデルを沖縄から全国へ、さらには世界へと発信してまいります。

 また、この度「⾥海珊瑚プロジェクト」への参画を検討している企業様に対して理解を深めていただくことを目的に『陸上サンゴ養殖&海中観察ツアー』を開催いたしました。

一日目は、サンクスラボ本社付近にある養殖所で、障がい者の方々がサンゴ飼育業務に取り組む様子の視察や苗づくり体験を行い、夜は懇親会を開催しました。二日目は、養殖所の水槽で育ったサンゴが植え付けられている場所へシュノーケリングとダイビングで観察する海中体験を実施いたしました。


◉「⾥海珊瑚プロジェクト」について

海水温上昇の影響等でサンゴの白化現象が深刻に進む中で、海洋環境保全を推進する企業・自治体・漁協等が協働し、海洋生態系の重要な役割を担うサンゴを陸上で育成し海に還す「里海づくり」を目指す事業です。

本事業の核となるサンゴの陸上養殖では、飼育技術を習得した障がいのある方が、アクセンチュア株式会社が持つ高い技術で実現した「水槽DX」により、デジタル技術を最大限活用しながら水槽の環境管理を行い、安定的なサンゴの生育を支えています。障がいのある方が、生活水準の向上に有効なスキルを身に付けて経済活動に参画しながらも、社会的・経済的に自立できる環境と、自身の能力や個性を持続的に存分に発揮できる環境の創出を同時に目指しています。

(取り組み・実績紹介 https://type-a.thankslab.biz/sango/achievements/ )


<参画企業様※一部抜粋、敬称略>

・JR九州ホテルズアンドリゾーツ株式会社

・株式会社日山

・ヤマト科学株式会社

・旭平硝子加工株式会社


『陸上サンゴ養殖&海中観察ツアー』レポート

① 陸上サンゴ養殖所の現場視察・苗づくり体験

陸上サンゴ養殖所の現場視察・苗づくり体験

サンゴ養殖を行う水槽約50台が稼働するサンクスラボ本社の養殖所で飼育業務(水槽メンテナンス・デジタルを活用した水質検査・飼育データ管理、エサやりなど)を行う障がい者の方々の就労現場を視察しました。

養殖所は、専門家の協力のもと、サンゴ育成に最適な環境で設計されています。また、「⾥海珊瑚プロジェクト」で協業しているアクセンチュア株式会社が開発したデジタルツール(水槽の状態をモニタリングするデジタルサイネージや水槽データ管理アプリケーションなど)も至るところに設置されており、それらを活用しながら業務に取り組む障がい者の方々の様子を見学しました。

また、サンゴの苗づくり体験も実施しました。苗は水槽で陸上養殖され、ある程度の大きさに成長した段階で、沖縄の海へ植え付けられます。


②サンゴの植え付け場所の海中視察

サンゴの植え付け場所の海中視察

養殖所で育ったサンゴは地元のダイバーや漁業協同組合などと連携して沖縄県内の海へ植え付けられます。

参加者はサンゴが植え付けられた場所をシュノーケリングかダイビングを行い、海中視察しました。

サンゴが白化している様子も観察することができ、海洋生態系の中心であるサンゴの保全活動の重要性を感じることができました。


◉ 今後の展望について

障がい者雇用における課題解決と同時に、生物多様性保全への貢献など、ESG経営を推進できるという点に魅力を感じた、というご感想を参加企業様から多くいただくことができました。

2026年7月には、障がい者の法的雇用率は2.5%から2.7%へ引き上げられます。また、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)開示の動きは国際的に進んでおり、今後、日本においても自主開示の動きは活発化すると予想されます。このような中、「⾥海珊瑚プロジェクト」は障がい者の方々によるサンゴ保全を通じて生物多様性に貢献できる取り組みです。今後は、環境保全に関心のある企業様のさらなる参画を目指すと共に、一般の方々にも本プロジェクトを知っていただき、サンゴ保全の重要性を伝えるための取り組みも積極的に行っていきたいと考えております。

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